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カテゴリー「旅の想い出」の検索結果は以下のとおりです。

ある日の森3 「ハンサムなキタキツネ」

キタツキツネ1

しばらくサボっていたが、『ある日の森』シリーズ第三弾はキタキツネである。
キタキツネには楽しい想い出が多い。
オホーツク海に突き出た音稲府岬にかつて存在した小さなキャンプ場で、潮騒のもと、灯台の光もかすむほどの満月に照らされ、跳ね回るキタキツネと小一時間も遊んでいた想い出。
別寒辺牛湿原奥の幾枝にも分かれた林道で、道を失って途方に暮れていたときのこと。
突然現れたキタキツネの後を追いかけたら、人里に出られた想い出。
北海道に何度も旅するうちに、たくさんの童話めいた想い出をキタキツネたちは僕に与えてくれた。


キタツキツネ2

だが、人間を見ると寄ってくるようなキタキツネを作り出してはまずいのである。
キタキツネは好奇心が強い上に頭のよい動物なので、育ってくる過程で出会ってきた人間との関係によって、個体ごとに人間との距離の保ち方が違う。
人に寄ってくるキタキツネは、観光客などから与えられたエサの味を覚えているのである。

キタツキツネ3

キタキツネにえさを与えてはならない。
それは彼らの生命を縮めることにつながる。
また、キタキツネに触れてはならない。
彼らはエキノコックスなどの寄生虫を持っているからである。
キタキツネと一定の距離を保つことは、お互いの幸福のために必要なことなのである。

キタツキツネ4

キタキツネほどの高度な知能を持っている動物になると、個体ごとにまるで顔つきが違うのがはっきりわかる。
このハンサムなキタキツネくんとは、津別峠で数年前の8月の終わり、ちょうど今頃の季節に出会った。
彼は蕗の葉の間からずっと僕を見ていたが、それ以上は寄って来なかった。
北国の高所だけに、霧の中にはすでに秋の気配が漂っていた。


ある日の空30 「カトリック元町教会の月」

深夜のカトリック元町教会

以前も書いたが、函館は大好きな街である。
夏、秋、冬と、春を除いた季節にそれぞれ何度も訪れている。
仕事がらみで十日以上滞在したこともあるし、小説の舞台に選んだこともある。

観光地として高い人気を持つことは言うまでもないが、赤レンガ倉庫での買い物と函館山の夜景だけでは些かもったいない。
この街に残された数多い歴史的建造物に囲まれ、函館湾と津軽海峡、函館山が作る自然の移ろいに身を委ねる時、訪れた人は、自分があたかもドラマの登場人物にでもなったかのような 心地よい錯覚に包まれることだろう。

などと言ったら、函館出身の友人に、「そりゃ旅人の勝手な思い込みだよ」と笑われるかもしれない。
だが、これだけは確かである。
僕の知る函館人は素敵な人ばかりである。
Tさん。昨夜のスペシャル・パスタ。本当に美味しかったです。
ごちそうさまでした。

写真は、深夜のカトリック元町教会の尖塔。
三脚を立て、月に見惚れながら撮影した一枚。


ある日の森2 「好奇心旺盛なヤツ」

ニホンカモシカ

しばらく、ブログに向かう時間がとれなかった。 「ある日の森」を続けたい。
今日の森の仲間は、ニホンカモシカである。

特別天然記念物に指定されているが、この愛嬌のある森の友達とは 意外なほど、よく出会える。
記憶を辿ると、神奈川県の丹沢、栃木県の加仁湯温泉で二度、群馬県の湯の平温泉、長野県の駒ヶ岳ロープウェイに向かうバス専用道路などで出会った。
ほかにも出会ったように思うが、今は思い出せない。
そして、今日ご紹介するのは、長野県塩尻市の県道脇に姿を現したもの。

好奇心が旺盛らしく、どの個体もすぐに逃げたりしないで、こちらを観察してくるので、割合とシッターを切りやすい。
ゴールデンウィークの旅のお土産である。


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第6回角川春樹小説賞を受賞し、『私が愛したサムライの娘』でデビューしました。
同作で第3回野村胡堂文学賞を受賞しました。
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