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銀河ステーション(Kyoichi's Blog)

ある日の空31 「精霊が眠る丘」

モーリエ(秋1)

函館で好きな場所はたくさんあるが、ここ外人墓地もそのひとつである。
ことに夕暮れのすばらしさは、美しい景色の多い函館でも一、二を争うのではないか。


モーリエ(秋2)

1枚目と2枚目は秋の夕暮れの写真である。
左手に見えている建物は「カフェッテリア・モーリエ」
暮れなずむ函館湾を眺めながら、お茶を頂ける素敵なお店である。


モーリエ(秋3)

この店で冷えたウォッカのグラスを手に函館湾に出入りする船をぼーっと眺めていると、 何とも言えない旅人気分が味わえる。


モーリエ(冬)

冬場、ここで写真を撮っていたら、「寒いでしょう? 温まっていきませんか?」と ご主人に声を掛けて頂き、感激した想い出がある。
すでに閉店時間だったのに、ストーブの前でいろいろなお話を伺うことができた。
この写真は初冬のものだが、現在は真冬はお休みのようで残念である。

モーリエ(夏1)

この2枚は今頃の季節の夕暮れ時。使用レンズは違うが、上の4枚とほぼ同じ場所からカメラを少し右に向けて撮ったもの。

モーリエ(夏2)

舟見坂を登った精霊の眠るこの丘は、時おり夢に出てくるほど好きな場所なのである。


ある日の森3 「ハンサムなキタキツネ」

キタツキツネ1

しばらくサボっていたが、『ある日の森』シリーズ第三弾はキタキツネである。
キタキツネには楽しい想い出が多い。
オホーツク海に突き出た音稲府岬にかつて存在した小さなキャンプ場で、潮騒のもと、灯台の光もかすむほどの満月に照らされ、跳ね回るキタキツネと小一時間も遊んでいた想い出。
別寒辺牛湿原奥の幾枝にも分かれた林道で、道を失って途方に暮れていたときのこと。
突然現れたキタキツネの後を追いかけたら、人里に出られた想い出。
北海道に何度も旅するうちに、たくさんの童話めいた想い出をキタキツネたちは僕に与えてくれた。


キタツキツネ2

だが、人間を見ると寄ってくるようなキタキツネを作り出してはまずいのである。
キタキツネは好奇心が強い上に頭のよい動物なので、育ってくる過程で出会ってきた人間との関係によって、個体ごとに人間との距離の保ち方が違う。
人に寄ってくるキタキツネは、観光客などから与えられたエサの味を覚えているのである。

キタツキツネ3

キタキツネにえさを与えてはならない。
それは彼らの生命を縮めることにつながる。
また、キタキツネに触れてはならない。
彼らはエキノコックスなどの寄生虫を持っているからである。
キタキツネと一定の距離を保つことは、お互いの幸福のために必要なことなのである。

キタツキツネ4

キタキツネほどの高度な知能を持っている動物になると、個体ごとにまるで顔つきが違うのがはっきりわかる。
このハンサムなキタキツネくんとは、津別峠で数年前の8月の終わり、ちょうど今頃の季節に出会った。
彼は蕗の葉の間からずっと僕を見ていたが、それ以上は寄って来なかった。
北国の高所だけに、霧の中にはすでに秋の気配が漂っていた。


ある日の空30 「カトリック元町教会の月」

深夜のカトリック元町教会

以前も書いたが、函館は大好きな街である。
夏、秋、冬と、春を除いた季節にそれぞれ何度も訪れている。
仕事がらみで十日以上滞在したこともあるし、小説の舞台に選んだこともある。

観光地として高い人気を持つことは言うまでもないが、赤レンガ倉庫での買い物と函館山の夜景だけでは些かもったいない。
この街に残された数多い歴史的建造物に囲まれ、函館湾と津軽海峡、函館山が作る自然の移ろいに身を委ねる時、訪れた人は、自分があたかもドラマの登場人物にでもなったかのような 心地よい錯覚に包まれることだろう。

などと言ったら、函館出身の友人に、「そりゃ旅人の勝手な思い込みだよ」と笑われるかもしれない。
だが、これだけは確かである。
僕の知る函館人は素敵な人ばかりである。
Tさん。昨夜のスペシャル・パスタ。本当に美味しかったです。
ごちそうさまでした。

写真は、深夜のカトリック元町教会の尖塔。
三脚を立て、月に見惚れながら撮影した一枚。


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Kyoichi's Blog

Author

第6回角川春樹小説賞を受賞し、『私が愛したサムライの娘』でデビューしました。
同作で第3回野村胡堂文学賞を受賞しました。
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