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銀河ステーション(Kyoichi's Blog)

ある日の空43 「小さなリゾート」

三河大島の海水浴場(撮影:鳴神響一)

子どもの頃には、夏休みという大きな大きな喜びがあった。 小学生の時には、二度引っ越したが、夏休みが一番楽しかったのは、 鎌倉の漁師町、坂の下で過ごした小学校四・五年生の夏だった。 海水パンツを穿いて、バスタオルだけ肩に掛け、 毎日のように、海まで走って行ったものだ。新学期には真っ黒になって登校した。

写真は蒲郡沖に浮かぶ無人島の三河大島。 二つの海水浴場を持ち、夏季だけ連絡船が運航している。 夏限定の小さな小さなリゾートである。
このときは、港で突然、船に乗る気になったので、 水着を持参していなかった。 海の家で、ひたすらビールを飲みながら、 何も考えずに、半日ボーッと海を眺めていた。 お手軽に、素敵なリゾート気分を満喫できたのであった。

「素晴らしき一夜」

桜の季節――塩尻にて(撮影:鳴神響一)

昨夜は春の嵐が湘南地方を襲った。 そんななか、僕は卒業以来たぶん初めての高校の同窓会に参加した。 三年生の時に担任して頂いた社会科のH先生がご勇退なさったので、 先生を囲んで、感謝の気持ちをお伝えしようという会だった。
「マスメディアの情報を鵜呑みにしてはいけない」 先生のお教えを、僕は十八歳の時から忘れた日はなかった。 僕の精神形成の上で、大恩ある師なのである。
パーティー会場は同窓生の七菜さんのお店。 『オーガニック七菜』(湘南店)である。 自然食のお料理はびっくりするほど美味しかった。 やさしさと愛と誠意がぎっちり詰まった一品一品だった。
素晴らしいお料理にも増して驚いたことは、 三十年を超える長い長い年月を隔てて再会した同窓生たちなのに、 まるで、昨日教室でさよならしたばかりのように、 すんなりと話せたことである。
若い日々を同じ空間で過ごしていたことが、 こんなにも素敵な、人と人とのつながりを造るものかと、 なんだか、すごく嬉しくなった。
七菜さんがご用意下さった会場はあまりに居心地がよく、 吹きすさぶ春の嵐から僕たちを優しく護り、 気づいてみれば、日付が変わっていた。 僕にとって一生忘れられない一夜となった。
会を企画して下さったMさん、いろいろとお心遣い頂いたSくん、 声を掛けて下さったDくん始め 皆さん、本当にありがとう。

ある日の空42 「みちのくの小京都」

角館1

この前の連休に、取材を兼ねて「みちのくの小京都」と呼ばれる 秋田県の角館を訪ねた。
しだれ桜で有名な武家屋敷は、想像していた以上の規模だった。
久保田藩の支藩である佐竹北家は、一万五千石の石高に過ぎないのにも拘わらず、優雅な佇まいの美しい町並みが残っていた。
いちばん驚いたのは、街の規模にそぐわぬ目抜き通りの道幅である。
現代の自動車道路としても、ゆとりを持って対面通行できる幅員を持っている。
傘を差したままのすれ違いが難しい道が珍しくないほど、城下町の道は狭いことが多い。角館の街を築いた人々は、先見の明があったとしか言いようがない。

角館1

幸い好天に恵まれたが、盆地の冬の底冷えは厳しかった。
武家屋敷の青柳家石黒家を廻っている途中で、歯の根が合わなくなってしまった。
もっとゆっくり、見学したかったので、残念だった。
しんしんと冷える秋田の冬を、ちょっと甘く見ていたようだ。
帰ってきてから、次に訪ねるときのために、パタゴニアのキャプリーン4というベースレイヤーを買ってしまったほどだ。

角館2

19時過ぎのこまちに乗る前に震え上がった身体を『しちべえ』のキリタンポで暖めることができた。
歴史的建造物を活かしたインテリアもシックなお店である。
比内地鶏は、スープも肉も最高に美味かった。


先月の半ばから、シェリー酒の本場、ヘレスに行っている島崎リノさんは、アンダルシアの名物料理に舌鼓を打っているだろうか……。


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Kyoichi's Blog

Author

第6回角川春樹小説賞を受賞し、『私が愛したサムライの娘』でデビューしました。
同作で第3回野村胡堂文学賞を受賞しました。
フラメンコファンです。

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