「月刊公募ガイド」10月号に記事を書きました。
- 2014/09/25 07:25
- カテゴリー:作品・お仕事
最近、『AVbyte』というユニットが繰り出すショート・ミュージカルにハマっている。
ニューヨークで生み出されるミュージカルの3分前後のビデオが、たまらなく面白い。
中でも、スター・ウォーズとウォルト・ディズニーをミックスしたパロディが秀逸である。
ご承知の通り、ルーカス・フィルムは2012年10月に、ウォルト・ディズニーに買収された。現在、ディズニー資本が、スター・ウォーズのエピソード7を制作中である。
で、次の二本のショート・ミュージカルは、そのあたりにインスパイアされたと思われる作品。
★「スター・ウォーズよ再び輝け!」(勝手に付けたタイトル)
いかがだろうか?
驚いたことに、これらの音楽は、すべてオリジナルなのである。
見事にパクったメロディとアレンジで、ディズニー風とスター・ウォーズ風をミックスしているではないか。
ダース・ベイダーは、凋落するスター・ウォーズの人気に悩んでいる。
Hipsterっぽい青年(似てないが、アメリカを代表する映画プロデューサーで、スター・トレックの監督も務めたJ.Jエイブラムスという設定)が、新作への熱意を語り、ダース・ベイダーを励まそうとする。
だが、彼は、スター・ウォーズと言うべきところをスター・トレックと言ってしまったりする。
同じく、J.Jは、エンタープライズ号と言い間違え、言い直そうとするけど、デス・スターが出てこなくて、ダース・ベイダーは落ち込む。
こんなシーンでは、腹を抱えて笑ってしまった。
「そうだ! ディズニー風でいこう!」ってなわけで、プリンセスたちが、"When you wish upon a Star Wars"と歌い上げる場面も、素晴らしい。
それに、ダース・ベイダーのタップが可愛いでしょ?
★「ようこそ、レイア。あなたもディズニー・プリンセスの仲間入りよ」(勝手に付けたタイトル)
ディズニーがルーカス・フィルムを買収したのだから、レイア姫はディズニープリンセスの仲間入りをするわけだ。
そこで、白雪姫やシンデレラが、次々にプリンセスの心構えをレイア姫に教えてゆく。
戸惑い気味のレイア姫は、だんだんとその気になってゆき、最後は堂々、プリンセスの仲間入りをする。その気にさせられた、レイア姫の投げキスのシーンが可笑しい。
メイキング(Behind the Scenes )を見ると、風の強い秋のニューヨークで、寒さに耐えながらのロケだったようだ。レイア姫を演ずるキュートなStephanie.Kennaさんは、シンガーソングライターらしい。
カメラがCanonの一眼レフだったり、彼ら手作りの衣裳が安っぽかったりするが、そんなことは問題にならぬほど、ミュージカルの出来がよいではないか。
次のナンバーには、さらに驚いた。
音楽面では、「パイレーツ・オブ・カリビアン」のパロディ。
この曲、実際に映画の中で使っているようにしか聞こえなかった。
主人公は、エドワード・ケンウェイ。「パイレーツ・オブ・カリビアン」ではなく、マルチプラットホームのゲーム「アサシン・クリード4」(裸が出てくるので、サイトが18禁)のメイン・キャラである。
フランスに本社を置くUbisoftの大人気ゲームで、日本語バージョンも作秋、発売されている。
あたかも本格的な映画のようなスゴすぎるゲーム。海賊好きにはたまらない世界が繰り広げられる。
ことに、実写版のPVを観ると、この映画を作ってほしいと、心から願ってしまう。
僕はこのゲームを知らないが、「アサシン」シリーズのファンの人には、さらに楽しめる内容なのだろう。
オフ・ブロードウェイで活躍するDaniel.Dunlowという役者さんが演ずるジャック・スパロウのフェイクもそっくりでしょ?
ディズニー風ばかりではない。
なんと、レナード・バースタインの「ウエスト・サイド物語」のパロディである。
ジェット団とシャーク団ならぬ、ソニーのPs4団と、マイロソフトXbox団の争い。
対立の渦中で、人目を忍んで愛しあうPC(ウィンドウズ・マシン)を支持する若い男女の二重唱が傑作。トニーとマリアが歌う「トゥナイト」のパロディであることは言うまでもない。
オリジナルとは、ぜんぜん違うのに、やっぱり「ウエスト・サイド物語」風なのである。
また、ツィター、フェイスブック、グーグルなどのパロディ・ミュージカルでは、ディズニー風の明るい音楽で、辛らつな皮肉の毒を、ソフトに包み込んでいる。
ほかにも、ポケモンやスーパーマリオなどの日本産のゲームものも、アップされている。
これらのミュージカルを創り出す『AVbyte』は、イタリア出身のNazareth兄弟が作るユニットである。
イタリアのヴェローナで、クラッシック指揮者の父とオペラ歌手の母の間に生まれた兄弟は、両親の仕事の関係でローマ、ニース、モンテカルロ、ウィーン、アムステルダム、ハンブルクと世界中の街に移り住んだ。
三年前にニューヨークに落ち着いた二人は、M.G.Mを初めとする伝統的なミュージカルのスタイルとタップダンスに魅了されたという。
彼らは、アメリカン・エンターテイメントの伝統と、現代のエスプリを併せ持ったミュージカルを、YouTubeで発表しようと考えたのである。
弟のAntonius.Nazareth氏(解説に出てくるメガネの男性)は、13歳でドイツの音楽学士号を取得した天才である。
(日本語の紹介サイトが見当たらなかったので、間違っているかもしれないが……)
演出や映像は兄のVijay.Nazareth氏(ヒゲの男性)の手になるもの。
二人とも、まだ、二十代前半……とても若いのである。
すべての音楽をダウンロード販売していて、結構、生活が成り立っているらしい……。
歌っているプリセンスたちは、ほとんどが、NYU(ニューヨーク大学)の学生や卒業生。みなさん、歌が上手すぎる。アメリカのシンガーの層はぶ厚いのだろう。
白雪姫を演じているTiger.Darrowさんは、メジャーデビューしていて、Amazonで曲が買える(彼女のサイトは、いきなり、音楽が流れます)。
ニューヨークのポップ・カルチャーは、やっぱり面白い。
いつの日にか、彼らの若い才能が、もっと大きく世界に羽ばたいて欲しい。
追記:AV-byteについて詳しく書いてある日本語サイトを発見したので、ご紹介します。
前回のエントリーで、暢気なことを書いていたら、一週間も経たないうちに、さらにひどい大雪が降った。
各地で大きな被害も発生し、関東地方近辺でも、山梨県のほぼ全域、奥多摩地区、秩父地方などで孤立状態が続いた。
自分が住んでいる町でも、こんな雪が降るとは、予想もしていなかった。
被害に遭われた皆さまには、あらためてお見舞い申し上げます。
一週間が過ぎ、ようやく、溶け残った雪も少なくなり、湘南地方では、こんな春めいた光景も見受けられた。
このネコくんとは、日々、挨拶を交わしている。
会うたびに僕のほうから一方的に機嫌を取って猫撫で声を出すのだが、大抵はじろりと睨み返されて、それでおしまいである。
だが、彼にも機嫌のよい日があるらしく、十回に一回くらいは、にゃあと鳴いてすり寄ってくる。
この日は、暖かな陽射しを浴びて、すやすやとお昼寝をしていた。
廻りのお花と、あまりに溶け合っていたので、バッグからコンデジを取り出して、そっとシャッターを切った。
ところが、安らかな寝顔を二枚ほど撮ると、気付かれてしまい、不機嫌そのものの表情で、睨み付けてきた。
まさに、「なんか、用かよ?」ってな感じでしょ。
でも、僕としては、二枚目の写真みたいな、彼の表情が大好きなのだ。
写真を撮ったのは、クルマを駐めている駐車場の端っこである。
土曜日には、各地で大雪となり、交通機関のマヒや、多くの被害も発生したが、皆さまの暮らしには影響はなかっただろうか。
昨日は暖かかったので、僕の部屋の廻りの雪もあらかた溶けた。
夕食を食べに行った道すがら、可愛らしい雪だるまを見つけたので、スナップしてみた。
1枚目と2枚目は、近くの雑貨屋さんが造ったもの。
男の子の帽子が外されていたのが残念だが、なかなかの出来映えである。
いつも持ち歩いているコンデジで撮ったので、背景ボケが作れない。
こちらは、雰囲気の可愛いカフェの店先にいたムーミン雪だるま。
だいぶ溶けてしまっていて、ちょっと残念。
湘南地方には、一昨日みたいな大雪に対応する力には欠けている。
外出先で足止めをくったり、慣れぬ雪かきをしなければならなかったり、大変な側面が多かっただろう。
だが、ふだんは味わえない雪の魅力に、心が躍った土曜日だった。
函館市内から駒ヶ岳が見えることに気づいたのは、恥ずかしながら3度目に訪れた時だった。
函館と山麓のリゾート地である大沼公園は、特急列車で20分ほどの距離だが、晴れた日には、写真のように堂々とした姿が、市内の各所から望める。
駒ヶ岳は、全国に幾つも存在するが、渡島富士とも呼ばれる北海道駒ヶ岳は、一度見たら忘れられない特異な山容を持っている。
函館や大沼から見ると、ご覧のようにやさしい稜線が裾野をなびかせている。だが、北側の森町あたりから望むと、荒々しい爆裂火口が怖ろしい姿を見せる。
この写真は、外人墓地前のカフェ「モーリエ」付近から撮ったもの。
灯台の位置がよくないのが残念だが、駒ヶ岳が薄化粧をしている姿が美しくてシャッターを切った。
第6回角川春樹小説賞を受賞し『私が愛したサムライの娘』でデビューしました。同作で第3回野村胡堂文学賞を受賞。
歴史時代小説とミステリを書いています。20年来のフラメンコファンです。